日本の高校進学率は40年以上前に90%を超え、現在では98.0%となっています。高校に進学することが当たり前となった社会ですが、時代が移り変わるのとともに生徒たちを取り巻く環境や社会も変化をしてきています。
高校進学に関して大きな変化といえば、通信制高校の広がりでしょう。現在(2019年度)は全日制の高校生約317万人に対して、通信制に通う高校生は約20万人となっています。つまり通信制の高校も一つの選択肢として一般化してきているのです。
ところで通信制高校とは具体的にどんなものなのでしょうか。選択肢だとしても中身が分からないと選びようがありません。ということで今回は通信制高校の現状や卒業の条件などについて紹介します。
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通信制高校とは?
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通信制高校を理解するために、他の通学スタイルと比べて見ていきます。
スタイル | 投稿時間帯 | その他 |
全日制 | 朝〜夕方 | 中学校と同じようなスケジュールです |
定時制 | 夕方〜夜 | 夕方から始まる学校です |
通信制 | 都合に合わせて | 必要な時に学校に行きます |
必要なときに学校に行って単位を取り、卒業するのが通信制高校です。つまり、自分で時間をやりくりしながら学習し、高校卒業をしていくのが通信制高校と言えます。
入学の条件や試験はある?
通信制高校も入学試験はあるものです。しかし、内容については学校により違ってきていて、英語数学などの学科試験を課す学校もあれば、面接試験だけという学校もあります。志望する学校の入試の内容については募集要項を確認しましょう!
卒業の条件
通信制高校を選ぶ一つの理由としては、「忙しい中でも高校卒業資格を取りたい!」というものがあります。そこで卒業の条件を見てみると、
- レポート作成(→合格が必要)
- スクーリング=面接指導(→数日間の登校が必要)
- 認定試験(→合格が必要)
この3つとなります。少しだけ詳しく見ていきます。
レポート作成
himawariinさんによる写真ACからの写真
通信制高校での学習の評価はレポートで見られます。レポートは教科書などを参考にして作成していくものですが、多くの通信制高校ではワーク形式の問題となっていて、その問題プリントを完成させることがレポート提出となります。
このレポートは家など学校外で行うことが想定されていますが、通信制高校のタイプによっては学習のフォローをウリにしているところもあります。この点も通信制高校選びの一つのポイントになります。
レポート教科書を参考にレポートを作成する。ワーク形式のものを解いていくというパターンが多い
スクーリング(面接指導)
スクーリングと面接指導は同じものです。内容は、学校に行ってレポートの難しい部分を質問したり、相談したりすることです。逆に言えば決められた回数は学校にかないと単位が認定されません。日数は少ないところで4日ほど、多いところだと20日ほどになります。
もともとは科目などは関係なく好きな日に学校に行って質問をなどをするというものでしたが、現在では「決められた日に学校に行って設定された授業を受ける」ことがスクーリングとされる学校が多いです。
この「学校」というのが少し難しく、通信制高校にも種類があり、学校法人だと大体OKです。しかしサポート校などの場合は学校法人ではない場合もあるため、数日間は学校法人の建物に行くことになります。
しかし、たとえ学校法人でなかったとしても学校側でスクーリングの場所や日程は設定してくれるため心配はありません。その日だけはスケジュールが自由になりませんが…そこは高校卒業のためです!ガマンしてください。
スクーリング(面接指導)年間数日間は学校に行って指導を受けることが単位認定の条件になっている。決められた日に学校施設に行き、設定された授業を受けるというパターンが多い。
スクーリングに行けない場合も!
スクーリングが卒業の条件だと言われても、事故や病気などでその日に動けないこともあります。その場合には「視聴票提出」という手段があります。
この「視聴票」はNHK高校講座などを視聴して、学習したことをまとめるレポートのようなものです。
提出期限さえ注意すれば家でもできるものなので安心のフォローアップ制度のようにも思えますが、注意点があり、スクーリングには絶対に行かなければいけない最低回数があります。つまりスクーリングを全くせずに卒業はできません!
「オンラインでスクーリングができる!」としている場合もオンラインでスクーリングの一部ができるという意味で、日数は減っても数日は登校が必要という記述になっているはずです!
認定試験
認定試験は科目ごとに受けるテストです。ここに合格(一般的に30点以上)することで単位認定となります。しかしここにもルールがあって、試験を受ける前にレポートに合格し、その科目のスクーリングを終えておかないといけません!つまりレポート・スクーリングのどちらか一方でも終わっていなければ単位認定試験が受けられずに不認定(→もう1回履修)となってしまうことがあります。
ただし、レポートは提出→合格までにタイムラグがあります。提出さえしておけば合格を見込んで試験を受けることができる場合もあり、その後でレポート・認定試験ともに合格と分かれば単位認定をしてくれる学校もあります。
そして万が一不合格になってしまった場合も、一般的な学校と同様に追試があるものです。学校によっては補習課題を追試にしているところもあるようですので、その点でも心配は少ないでしょう。(補習課題を追試代わりとする場合も認定試験そのものの受験は必要です!)
認定試験レポートとスクーリングを両方とも終えた後に受けられる。合格点は一般的に30点。不合格の場合には追試などもある。
卒業は簡単?難しい?
やることが分かったとして、これが楽なのか難しいのかが問題です。結論を言えば、極端にきついスケジュールや難しい課題は出されません!もちろん学校によりますが、忙しい中で時間をやりくりして卒業できる程度の量と言えます。
もしも卒業に心配がある場合には、サポート体制の整っている(そこをウリにしている)通信制高校を選びましょう。学校によっては担任の先生がついて、レポートやスクーリングなど卒業に関わる問題が発生しそうなときには連絡をくれるというところもあります。
そういう先生に頼ることを考えると…もしかしたら簡単なのかもしれません。でも勉強するのは自分です。最後は自力でテストを突破しないといけません。また「テストに合格する」と言うとすごい大変な気もしてしまいますが、通信制高校によっては「どんな生徒でも3年で卒業させます!」と謳っている学校もあるほどです。つまり、テストも十分に突破できるレベルだということです。
サポート校って?
サポート校は通信制高校を卒業するためのサポートをしてもらう学校です。通信制高校には「広域通信制」というものがあり、その学校の近くに住んでいなくても入学できます。しかしその場合は学校に通うことが困難なため、卒業のサポートをしてもらうために家の近くのサポート校に所属することになります。
通信制高校の理論上はサポート校はいらないものなのかもしれませんが、通信制高校にも色々と難しいルールがあるためサポートなしに卒業するのは難しいです。そのため、サポート校に所属しないと入学できない通信制高校もあります。
登校型の通信制高校?
現在は「登校型」が名前の前に付く通信制高校が増えてきました。これは、全日制の学校と同様に週5日程度学校に通って学習をしていくというものです。
文化祭や体育祭が行われ、制服があるようなところもあり、全日制との大きな違いは通信制高校のルール(レポートやスクーリング)で学習していく点などとなるでしょう。
なぜ通信制なのに登校型?
なぜ通信制なのに登校型なのか疑問がでてきます。実はこの点には問題があるようで、そもそもの通信制の理念とは食い違っているという声も聞こえます。しかし、登校型が普及してきたことには理由もあり、その中には「中学校時代の不登校」「高校中退者の受け皿」というものがあるようです。
特に児童生徒の不登校は社会問題となってきていますが、登校型の通信制高校であれば
- 全日制だと通いきれないかもしれないが学校に通いたい
- 少しずつ登校できるようにしたい
という生徒に対応できます。さらに言えば不登校となってしまうと中学校の成績が斜線(つかない)となってしまうことがあり一般的な受験が難しくなってしまうケースもありますが、通信制高校であればその問題もクリアできます。
登校型の通信制高校には、通ってみれば全日制の学校とほとんど変わらないところもあります。毎日通って学校生活を送りたい。でも不安があるという場合には登校型の通信制高校も選択肢になるでしょう。
ちなみに全日制もある通信制高校の中には、卒業証書が全日制のものと変わらないところもあるそうです。
勉強は難しい?大学進学はできる?
勉強面に関しては、基本的にどの通信制高校も実績を謳っています。学校によっては特進コースのようなものを設けて大学受験をメインにするコースもあったりします。ただし、この点に関しては学校によるとしか言えないでしょう。私立の進学校のようにバリバリ学習するところもあれば、中学校の復習から丁寧に教えてくれるところもあります。
現在も大学受験に向けた勉強は予備校や塾に頼ることも多いですよね。
勉強面に関しては、勉強が難しすぎないか、または不十分にならないかという点に関しては、ご自身の希望と学校側の方針とをよく比べてみることが必要でしょう。
通信制高校の学校選びのポイント!
通信制高校選びのポイントは以下の点をどう判断するかが重要です。
- 学校に通う日数
- スクーリングの大変さ
- 学習の目標(進学等)
- 目的とするコースがあるか
- 学校行事
- 卒業や勉強へのフォロー体制
- 費用
- などなど
通信制高校はサポート校も含めると本当にたくさんあります。母体となる学校が同じでも学習センターが違えばやり方も様々です。自分に一番合った学校を探してください!
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