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そもそもなぜ忘れてしまうのか
新しいことを忘れてしまう、つまり覚えられない原因はいろいろとありますが、特に「ガンバって勉強をしたはずなのに覚えられない」場合には
- すでに知っていることと混ざって正確に覚えられない
- 特徴がなさすぎて記憶に残らない
の2つが大きく影響しているはずです。
まず、勉強が進んで覚えるべきことが増えると、似ているものも出てくるので、結局混乱してしまいます。
たとえば、"quite"・"quiet"・"quit"、似ていますが意味はそれぞれ「とても」「静かな」「やめる」と違い、覚えようと思っても難しいですよね。
また、英単語などでは普段使わない発音のものはただのアルファベットの並びです。
そうなると意味のないものの意味を覚えることになるので、特徴がなさすぎて大変でしょう。
わたしは「スペンド」という発音の言葉を知りませんでした。
なので"spend"で「(時間を)費やす」という意味なんだと覚えるのにかなり苦労したことを覚えています。
似ていることをちゃんと区別する、意味のないものをしっかり覚える。
つまづいているポイントを理解すれば、できる人にはできると思うのですが…難しいんです。
解決のヒントにできるよう、それがなぜ難しいかも簡単に解説します。
脳の構造はもっと複雑だった
暗記をする部分は脳ということになりますが、その暗記のされ方が複雑で、記憶が定着しないことがある理由にも関わってきます。
記憶の保持は30秒〜数分しかもたない
人間は、見たものなどをまずは「短期記憶」という形で覚えます。
これは一時的に覚えるだけで、30秒〜数分で忘れると言われるものなのですが、つまり見たものは数分しか覚えていられないということです。
しかも量も限られていて、文字でいうと7文字前後とされています。
黒板を移すときに、黒板見て→ノート見て、を何度も繰り返すことから実感できますよね。
もちろんこれではテストも何もできないので、しっかり定着させた記憶である「長期記憶」に変えていきます。
つまり、短期記憶から長期記憶に変わったものが「しっかり覚えられたもの」と言えるのです。
このことから、必要なのはどうやって勉強したことを長期記憶に変えていくかということでしょう!
忘れないための暗記勉強3つのコツ
忘れない = 長期記憶にしていくコツを3つ紹介します
- 確認できるようにしておく
- 覚えた内容を語る
- 特徴を考えておく
それぞれポイントがあるので紹介します。
確認できるようにしておく
短期記憶を長期記憶に変えていくいちばんシンプルな方法が「繰り返すこと」です。
(この繰り返しはリハーサルと呼ばれ、心理学の用語にもなっているくらいです。)
脳の一部分(海馬と呼ばれる)が、「これは長期記憶にするべきだ」と判断したものが長期記憶となると言われていますが、そのきっかけは何度も目にすることです。
勉強での繰り返しは当たり前ですが、仕組みを知ることで目的を持って効果的に勉強ができるようになるはずです。
繰り返す方法として一番おすすめなのがノートです。
理想的には帰ったらとりあえずノートを開く、最低限授業が始まってノートを開いたときに前のページも見る。
効果的な「繰り返し」となりしっかりとした記憶につながるでしょう。
覚えた内容を語る
繰り返す一つの方法として、勉強した内容を「語って」みてください。
何も見ないで記憶を呼び起こしながら語ることは、思い出すトレーニングにもなります。
また同時に、「自分はここが覚えられていないな」という気付きにもつながるので、とても効果的です。
語る相手がいると、自分が気が付いていない不十分な部分まで分かったりもしますが、独り言で十分です。
夜食を作る間、掃除をしている間など、あまり脳を使わない作業中にやってみるといいでしょう。
特徴を考えておく
勉強していくと「何度やってもこれを忘れてしまう!」というのが出てくるはずです。
そんなときは特徴を見つけて、思い出す「きっかけ」を作っておくと効果的です。
いわゆる語呂はきっかけをつくるもので、手がかりがあればそこから思い出せるというものです。
例えば理科の周期表を覚えるときの「水兵リーベ…」というものでは
「リーってなんだ?………あぁ、リチウムだ」
のように、きっかけから思い出しますよね。
一般的な語呂になっていなくても、自分が苦手な部分は無理矢理にでも思い出す「きっかけ」になるものを作ってください。
・「上がる」→ががあ段なのでa→raise、
・「上げる」→げなのでaではない→rise
のようにこじつけましたが、迷うことはなくなりました!
ただ、単語などでは特徴もきっかけもつくりづらいですよね。
そんなときは
- 語源・成り立ちを考える
- 絵や形としてで覚える
などの方法が使えます。
例えば「犠牲」という漢字を覚えたいとします。
この熟語はどちらも左が牛(牛へん)なのが覚えるポイントですよね。
「昔は牛が生贄とかで犠牲になったのかな?」などと考えておくと、いざテストに出たとき「犠牲は牛だ」と思い出すきっかけがあり迷うことがありません。
(かんたんに調べたところ、正確には、語源的には牛に限らないそうです)
英単語であれば
●"re"→「もう一度」的な意味を持つ
>> 例:return(リターン)、renew(リニュー)、review(レビュー)など
●"im"や"in"→「否定」の意味を持つ
>> 例:impossible(不可能・可能はpossible)、invisible(インビジブル・見えない・見えるはvisibleなど
●ちなみに、"-ble"で「〜できる」的な意味になります。
>> 例:able(できる)、possible(できない)、visible(見える)など
このように、成り立ちを知るとそれがきっかけになります。
特に上のように、単語の最初や最後に付いて意味をそえるものを接頭語や接尾語といいます。
さらに、何の特徴もつかめないときには絵や形として覚えることに挑戦しましょう。
具体的には、単語などの全体的なシルエットを感じ取って目をつぶって再現してみたり、レタリングや立体的に書いてみることで細かい部分まで注目することです。
特に忘れかけたものを思い出そうとしたとき、最初に思い浮かぶのは見た目(絵や形)になるはずなので、この方法も効果的です。
いざというときは(テスト中など)
テスト中に「やったはずが思い出せない!」とピンチになったときは全体を見る意識を持ってください!
緊張しているなか、やったのに思い出せない、くやしい、絶対思い出せる!そんな感情となり、のめり込みすぎてしまう可能性があるためです。
特徴やきっかけを思い出すためには、もう一度問題文など前後を読み直すなどして、全体的な状況を把握するようにしましょう。
それでも思い出せないときは、即飛ばしてください。
テスト中の忘れたころにきっと思い出します。
後で優先的に見直せるように、問題番号にチェックを入れるなどしてどんどん進んでしまいましょう。
やっただけ覚えられるようになれる!
人間の暗記容量はとても大きく、最新のiPhoneの4台分とも言われています。
容量は十分なので、後は今回紹介した方法を採用すれば、勉強しただけ覚えられるというわけです。
もちろん勉強することには変わりありませんが、結果もついてくると思えばやる気も違いますよね。
また、忘れている部分があったら、そこが覚えるべきポイントとなり、点数アップ・成績アップのチャンスでもあります。
ぜひ実践していってください。